アメリカでの暴動など、世界が騒然としてきている。皆さんも多かれ少なかれ、危機感はお持ちだと思う。

戦争は視界に入った、開戦まで1年などという声も聞こえてくる。

この状況において、憲法と現実との乖離、というより、矛盾をごまかしきれなくなってきている感がある。

憲法に関する論点は諸々あるが、今回は、まず、そもそも憲法9条で平和が守られたのか、という点を取り上げたい。

 

自分で言っておいてなんだが、憲法9条で平和が守られたなんとことがあるはずない。

 

仮に憲法9条を実践したら

今、戦国時代を舞台にした大河ドラマ「麒麟が来る」が放映されている。

もし、織田信長の織田家が「正義と秩序を基調とする平和を誠実に希求する」などと9条に倣って織田軍を解散してしまったらどんなことになるか。

わざわざ説明するのもバカバカしいが、今川なり斉藤なり他の大名が侵略してくるだろう。歴史に詳しくないという方でも容易に想像がつくと思う。

 

ちなみに、軍隊があっても侵略してくることがあるというバカげた批判もあるだろうから一応述べておく。

軍隊があっても侵略して来るのは、勝てる可能性があると思うから。あるいは勝敗とは別の思惑があってのこと。

軍隊があっても、それも強力な軍隊があっても侵略して来る可能性があるのだから、その軍隊を廃止してしまったら尚更侵略してくる可能性は高まると考えるのが普通ではないか。

100%侵略を防止できないから廃止しろと言うのは、迷宮入りの事件もあるから警察を廃止しろと言うのと同じだ。

 

日本のある程度の平和は米軍・自衛隊の抑止力のおかげ

日本が戦後ある程度の平和を維持できたのは、世界最強の軍事力を持つ米軍がいること、世界屈指の軍事力を持つ自衛隊こと日本軍がいたことによる。

抑止力だ。

 

この抑止力の理屈は、実は9条論者自身も認めている。

安保法制整備の時、日本が攻撃されたときアメリカは日本を守るが、アメリカが攻撃されたとき日本はアメリカを守ることができない、これを改めようという主張に対して、彼らはこう言っていた。

世界最強の軍事力を持つアメリカ軍を攻撃する者が現れるなどというありえない想定の下に立法を行うべきではない、と。

軍事力があるから攻撃の対象とならない。少なくともなり難い。

抑止力ではないか。

まあ、彼らが抑止力という当たり前の理屈を認めるのは、自分たちが反対する法律の制定の時なのだが。

逆に言えば、彼らは知能に問題があるわけではく、お花畑なわけでもない、理解して言っているということだ。問題は、自身がその場その時で言うことをコロコロ変えることを何ら恥じる処がないということか。

 

紙に書くだけで実現するものではないという当たり前のこと

紙っぺらに平和と書いて平和が実現するわけではない。

他方、紙っぺらに国防と書いて国が守れるわけでもない。

紙っぺらに書いておけば実現するなら、憲法25条は健康な生活を営む権利とか書いてあるのに、どうして武漢ウィルスで健康を害し命を落とす人が出るのか。

 

平和を実現するには様々な具体的な手段を講じなければならない。

相手と友好関係を築くのも確かに1つの手段だ。また、その裏付けのためにも軍事力の強化もまた間違いなく1つの手段だ(いざという時に頼りにならない国と友好関係を持ちたい国はないだろう)。ましてや、友好などそもそも成り立たない国も間違いなく存在する。

 

改めて、憲法9条で平和が守られたのか、の問いに対する答え。

 

そんなことあるはずがない。

 

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