「自民党に投票したくない」では立憲に投票すべきか

自民党に投票したくない有権者はどうすればよいか

ＬＧＢＴ法の成立や、えりアルフィヤ氏公認、ＡＶ新法、困難女性支援法ほか様々な問題を受け、自民党にはもう投票しないという意見が多くみられる。その中には立憲に入れるという意見もある。これは、国民や維新に入れた結果、立憲を利する場合も含めてのものではあるが。

では、この意見のように立憲に投票すべきだろうか。

結構前になるが、ＳＮＳ上でこのような意見を見かけた。

「自民党に是正を迫るのなら、我々国民を舐めるなら返り血を浴びる覚悟で立憲に投票してやるという意思、覚悟を示す必要がある」

改めて探してみたが見つからなかったので不正確だとは思うが、大体こんな感じの意見だった。

この時の感想は「心情的には分かるが、さすがに立憲に入れるのはやめとこうぜ」というものだった。

だが、今はこれも１つの考え方だと思うようになった。

 

自民党に保守系議員を増やせば是正を迫れるか

これに対しては「自民党内にいわゆる保守系の議員を増やすことで是正を促すべきだ」という意見もあると思う。

以前、私も自民党から議員を目指してほしい、自民党内に保守系議員を増やすことで日本を護ってほしいというご要望をいただいたことがある。

自民党の保守系議員を増やすべきだという意見は、増えれば政策への影響が増すと考えているのだろうが、そうはならない事はＬＧＢＴ法で明白になった。

増えたところで、都合の悪い意見は無視、手続も無視ではどうにもならないだろう。最初から結論ありきなのだから。

また、自民党という政党自体のほか、その支持者の問題もある。

 

自民党支持者の姿

令和３年の自民党総裁選。保守系議員とされる三原じゅん子氏が野田聖子氏を支持し話題となった。

三原氏に投票した有権者が憤り、悲嘆したのは言うまでもない。

私が強い憤りを覚えたのは、これに対する自民党支持者の反応だった。

茶化し、揶揄し、中には発狂とせせら笑う者もいた。

保守系議員と期待を込めて三原氏に投票したのに真逆の行動をとられれば憤り嘆くのは当たり前のこと。何がそんなにおかしいのか。

政治も人間世界の事、義理人情は大事なんだと言うのならまだ分かる(ただ、それだと投票の意味がそもそもなくなってしまうが)。

だが、当然の反応を自民党支持者は発狂とせせら笑った。

 

そしてＬＧＢＴ法。

これは内容面もさることながら、手続を無視するという、党名に民主主義を掲げる政党としては致命的な暴挙だった。

これに憤慨する岩盤保守層に対する自民党支持者の反応は、自称保守、限界保守という侮蔑的なレッテル貼り。

これが「確かに投票してくれた有権者を裏切る行為だ。だが、それでも立憲よりはマシなんだ。自分達支持者が尻を蹴飛ばしてでもこれ以上自民党がおかしな方向に行かないようにする。だから選挙では自民党に投票してほしい」

こう言うのであれば、まだ幾分かの期待は持てる。だが、実際の反応は前記の通り。

念のため、私は当然自民党員ではないので自民党の内部のリアルは分からない。私が見れるのはネットを通しての姿であることは留意している。

だが、逆にネットだからこそ自民党支持者の本心がむき出しになっているとも言える。他方で「リアルでは立場上言い出せないが、確かに自民党は問題がある」という意見も見かけない。

 

それにしてもだ。

三原氏に投票してくれた有権者は自民党支持者にとっては本来ありがたい存在のはずだ。

自民党に問題があると思いながらも、このような人がいるのならと期待を込めて自民党の候補者に投票してくれた。

岩盤保守層は自民党が下野し多くの組織団体が離れていった中、損得抜きで支えてくれた。

それを偽物、紛い物、狂人、気違い呼ばわり。

自民党という政党。そして、その支持者からして。

 

控えめに言って、最低だと思う。

 

肝心の支持者がこれでは、どうにもならないだろう。

自民党に保守議員を増やすんだと投票したところで、託した思いと真逆の行動をとられた上、気違いと指さしてせせら笑われれる。

自民党に是正を迫るどころか、日本人相手には何をしても大した事にならないと高を括らせるだけだ。

 

憲法改正は免罪符でも餌でもない

それは立憲に投票するという人への批判(実際は揶揄嘲笑だが)に、憲法改正を持ち出す点にも既に現れている。

自民党支持者は憲法改正の為に自民党に入れろとも主張する。

憲法改正、いつやるのか。

憲法は字義通りに読めば自衛隊も違憲であり廃止せざるを得ない。とっくの昔にやっていなければならなかったはずのものだ。やって当たり前のことを、何を交換条件にしているのか。

そもそも今までも改正できる機会はあった。にもかかわらずやらなかった。

それどころか、自主憲法制定が党是だったのに改憲の「か」の字でも口にした自党の議員を更迭して叩き潰していた。あれは何だったのか。

それらの総括すらせずに憲法改正もへったくれもないだろう。

しかも、その改正の内容は自衛隊の明記という、やらないよりはマシ程度のもの。

そんな程度の憲法改正を餌に、今後更に、同性婚、夫婦別姓、戸籍制度廃止、外国語公用語化、外国人参政権、そして「いわゆる女系天皇」こと皇統断絶に繋げて行こうというのだろう。

自民党、自民党議員、そして自民党支持者。

・・・・・我々日本人を馬鹿にするのも大概にしろ・・・・・

 

自民党に是正を迫れる手段

それでも自民党に投票するというのであれば、その判断は尊重する。というより、投票するな、別の政党に投票しろと強制できる筋合いのものではない。

このブログをお読みいただいた方はご存じの通り、私は自民党に対して批判的ではある。

だが、他面、現時点でまともな政権担当能力を持っているのは自民党だけだとも思っている。

なので、成人してから恐らく全ての選挙には行っているだろうが、概ね自民党の候補に入れてきた。自民党が下野した２００９年の選挙の際も自民党に入れた。

 

だが、今後は自民党に入れることはないだろう。

 

冒頭に挙げた意見のように、保守系議員に期待して自民党に投票するよりは、我々日本人をそこまで馬鹿にしきって舐めきるというのなら、返り血を浴びる覚悟で立憲に入れてやるという意思と覚悟を突き付ける方が、まだ自民党に是正を迫れる可能性があると考えるに至ったからだ。自民党の個々の議員も自分の議席は惜しいようではあるから。

これは前述の通り、返り血を浴びる覚悟が必要な事ではあるし、根本的な解決にはならないのも事実。

根本的解決は、自民党、自民党含めた既成政党に変わる政党を作ることになる。私はそれをやってみようと思う。ただ、時間がかかるのも事実。

政治は現実に向き合うものと言うのであれば、自民党に代わる政党がない現時点では、自民党以外の政党に投票することが自民党に是正を迫れる、紙一重でもより可能性の高い手段だと考える。