阪神淡路大震災から25年
少し日数が経過してしまったが、今年の1月17日で阪神淡路大震災から25年となった。
犠牲者総数は6434名とされる。
犠牲となられた方々に、改めて哀悼の意を表したい。
他方で、今だ、どこか割り切れない感情もある。
この犠牲者はもっと少なくて済んだはずとされている。
地震発生は、平成7年(1995)1月17日、午前5時46分。
私は当時京都に住んでいた。
25年経って記憶は曖昧になっている。以下の記述は不正確なところもあると思うのでご容赦いただきたい。
早朝、強い衝撃を受けて目を覚ました。
揺れる、というより、部屋全体を下から叩くような強い衝撃だった。
ベッドから放り出されそうにはなったが、何とか転落はしないで済んだ。本棚から本が何冊かとペン立てが落ち、ボールペンのプラスチックのクリップが折れた。
後から知ったが、一時電話が不通となっていたとの事だった。
私の被害はその程度だった。
大学へ行く前のニュースで地震が起きたことを知った。この時は、淡路島で地震により落下した建物の瓦が頭に当たり1名が亡くなったというニュースが流れていた(私はすぐに消して出かけてしまったので、他の被害、犠牲のニュースは報道されていたかもしれない)。
犠牲が出たことには違いないが、結構揺れた割に大きな被害にならなそうだと、今思い返せば本当に間抜けなことを考えながら大学へ向かった。
特に停電もなく、道路の状況もいつもと変わらない、大学でも、特に学生の人数が少ないということはなかったと記憶している。
地震について誰かと話しをしたか覚えていない。ただ、少なくとも大きな話題にはなっていなかったと思う。
そして、夕方、帰宅してニュースを見て絶句した。
「天災」だったのか
哀悼の意も何もない。呆然としていた。
時間、日数が経つにつれて被害の実態が明らかになってくる。
増えていく犠牲者数。
震災発生後の経過も分かってくる。
前述のように、地震発生は午前5時46分。
当時の村山富市首相が地震発生を知ったのは午前6時のニュース。正式な首相への第一報は午前7時30分とされる。
自衛隊が出動したのは10時過ぎ。
地震発生から自衛隊の出動まで4時間以上が経過していた。
この初動対応の遅れで、助かったはずの2000人ともされる人々の命が失われたとも言われている。
各所の通信設備が不調、故障するという事態が重なったために首相が震災の規模に気づかなかったとされてはいる。
しかし、当時から村山首相が自衛隊を出し渋ったのではないかと指摘されていた。
村山首相は憲法9条死守、自衛隊否定の社会党の党首だった。
護憲派-今は立憲主義者か-にとって国防を担う自衛隊は邪魔以外の何物でもない。自衛隊は何かあれば自国民を虐殺するような存在だということでなければならない(そんな軍隊は隣国にあるのだが、立憲やら平和やらを唱えているお歴々がそれらの国を批判したとは寡聞にして知らない)。国民が窮地のときに颯爽と駆けつけて助け出すなんてことはあってはならない。存在意義を認めたくない、日の当たるところに出したくない。
震災以前から憲法9条改正の「か」の字でも言えば議論自体を潰す、この震災のような緊急事態に対応するための法整備にも反対していた。それ以外にも何かにつけ自衛隊叩きをやっていた。
それらの所業の数々からすれば、村山首相が自衛隊を出し渋ったのではないかと疑われるのは当然だ。
私も今でも強く疑っている。
当時、当然今ほど普及してはいなかったが、インターネットは登場しており-私は当時ネットはやっていなかったが-ネット上では震災情報が発信されていたとされる。
そして、当時からネット上で被害の実態がやりとりされていたのに総理大臣が知らない、知ることができないなどということがあるのかという憤りの声もあった。
実際に首相がどの時点で震災の規模を知ったのかは分からない。正面から聞いたところで本当のことは答えないだろう。
だが、仮に10時まで知らなかったとしても、村山首相にはこの数多の犠牲について責任がある。それは「政治は結果」という時の、政治家としての政治的結果責任という意味ではない。
仮に村山首相が気づかなかったために対応が遅れたとするなら、気づけるようにしておかなかった責任、それどころか気づけるようにしておくことを妨げた責任がある。
後日、震災の対応を国会で質問されたときの答え。
「何分初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますから、幾多の混乱があったと思われまする」
ふざけるな!!!
何分も初めての経験ではないはずだ。今まで日本で何回大震災があったと思っているのか。
大都市での震災というのなら関東大震災という直近の例もある。
それらを分析して、震災が起きる前に、震災発生時にどのように情報を伝達するか、速やかに対応するか対策をしておくのが政治の責任だろうが。
そして、それら危機管理法制の整備に反対してきたのは村山首相が党首を努める社会党だったではないか。国防を担う自衛隊の活動を阻害するために。
震災当時、自衛隊は出動したくてもできなかった。そこで処分覚悟で偵察や調査という名目で出動し、「たまたま見かけた」被災者の救出にあたり、実際に処分された自衛官達もいた。
それもこれも、このような緊急事態に備えた法整備がなされていなかったからだ。
震災の規模に気づけなかったのも、初動が遅れたのも、村山首相を含めた社会党が原因ではないか。
政治的結果責任ではなく、助かったはずの人々を死へ追いやった、その事態を招き寄せたことに対する責任が村山首相に、そして社会党議員達にある。
無論、危機管理法制に反対していたのは社会党だけではない。
朝日を初めとする反日メディア、憲法学者等々にも責任はある。だが、国運を担う国会議員たちはより大きな責任を負う。
それにしても、「何分初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますから、幾多の混乱があったと思われまする」という、自分のしでかしたことに対する欠片の自責の念も感じられない、他人事のようなこのセリフ。
割と本気で思う。
「憲法のために死ねてよかったね」くらいにしか思っていないのではないか、この男は。
本当に嘔吐しそうなほどの憤怒を覚える。
村山首相が被災地に来たとき、その姿を見て殺してやりたいと思ったという被災者がいた。
痛いほど分かる。私の震災の「被害」は冒頭の程度だが、それでも殺意を抱いている。
阪神淡路大震災は天災ではある。
だが、それにとどまらい。
人災でもある。
いや、人災という表現すら生温い。
未必の故意と不作為による日本人の大量殺人。
ジェノサイド(大虐殺)ですらある。
どうして、よりによってこんな大災害の時に、こんな男が総理だったのか。
村山政権は自民党・社会党の連立政権
社会党は当然単独過半数を持っているはずもない。比較第一党ですらない。
村山党首が総理になるには、連立を組む必要がある。
その連立相手はどこの政党だったか。
自民党だ。
平成6年(1994)、自民党と社会党、さきがけによる連立政権が成立した。
その前年に成立した非自民連立政権により野党となっていた自民党が政権に返り咲くために社会党と手を組んだのだ。
普通なら、より議席の多い自民党から首相が出るはずだが、議席の少ない社会党の党首である村山富市氏を総理にまでして連立を組んだ。
自民党のやらかすことには大抵のことでは驚かないつもりの自分でも、あの時は本当に驚いた。
ここまでするかと。
よくそこまでプライドを捨てられるなと。
晴れて政権に返り咲いた後、森喜朗元総理が自民党議員達に対し「我々は与党に戻ってきたんです」と呼びかけている光景が報道されていた。
嬉しいか?そうまでして政権に返り咲けて。
震災の犠牲者拡大の第一の責任は確かに村山首相にある。
だが、それに次ぐ責任は、この男を、政権に返り咲きたいからと、なりふり構わず総理に据えた自民党にある。
ちなみに、その当時の自民党総裁は河野洋平。河野太郎現防衛大臣・前外務大臣の父親だ。日本人を、先人達を貶めた、あの河野談話の河野洋平だ。
何となく分かる気がしないだろうか。
そして今、自民党は総理総裁を出し、国政に対し第一の責任と権限を負う立場となっている。
再び起こりうる惨劇
阪神淡路大震災の惨劇は再び起こりうる。
日本は地震列島であるからというのも当然ある。
だが、それだけではない。
先ほどから社会党、社会党と書いているが、もしかしたらピンと来ない方も増えてきているかもしれない。
社会党は分裂し、党名を変更して消滅した。だが、その分裂し党名を変更した政党達は今も存在している。
立憲民主党であり、国民民主党であり、社会民主党だ。
自民党公明党とあわせて、国会の主要政党は当時とほぼ変わっていない。
自社大連立政権というのは、現在で言えば自民党と、立憲・国民・社民が連立政権を組むようなものだ。
そんな馬鹿なと思うかもしれない。私も当時、自社大連立の動きが報道されたとき、揺さぶりか何かで、まさか実行するとは思わなかった。だが現実に起こったのだ。
その結果が、助かったはずの2000人とも言われる人々の死だった。
そして、その責任は誰も取っていない。
震災後、社会党議員(現立憲・国民・社民)でも自民党議員でも、誰か切腹の真似事でもしたか。
最高責任者であるはずの村山富市すら何の責任もとっていない、
助かったはずの2000人とも言われる人々を死へ追いやりながら何の責任も取らない政党が、そのまま今も存在している。
実際、震災以降、いくばくかの法整備はなされた。
だが、予備自衛官補の職務訓練(法務)における説明では-詳細は記載できないのだが-危機管理法制は、根本的な所は震災当時と変わっていないとのことだ。
震災という天災は日本が地震列島である以上、再び起こりうる。これは仕方がない。
だが、あの本来起こり得るはずのない、人災、ひいてはジェノサイドもまた、再び起こりうる。
東日本大震災では、阪神淡路大震災の批判を意識してか、さすがに自衛隊を出し渋るということはしなかった。
逆に言えば、意識する必要がなくなれば、再び自衛隊を出し渋って日本国民を、日本人を死へ追いやるという挙に出る可能性は決して否定できない。
東日本大震災に関係して、経済評論家の三橋貴明氏の話にこのようなものがあるとのことだ。
「神戸(阪神淡路大震災)の時とは異なり、東北(東日本大震災)はGDPを稼げない地域だから、復興資金を投じても元が取れない」と発言した某官僚の言葉が印象に残ります。同じ日本国民を「助けあえるかどうか」でなく「金銭的に価値があるか」で、助けるか否かを考えているのです。
このような官僚は例外であることは分かっている。
官僚ではなく地方公務員だが、当時私は地元の市役所で嘱託員(宿直員)をしていたが、役所の職員の方々が土日夜間も出て奮戦してくれていたのを知っている。
ただ、例外的に存在しているのは確か。
そして、その例外的な、日本人と金銭の区別がつかない官僚こそが重用されるのが自民党政権だ。
「日本人は雇うと高い」と放言した、政府の諮問会議の民間議員を勤めた財界人がいる。
まるで日本人が陳列棚の商品みたいな言い方だ。
ここまで日本人をコケにして何ともならないと思っているなら、何とも楽天的な話だ
そもそも何なのか、この民間議員というのは。そんな珍妙な議員に投票して選出した覚えはない。そんな男を議員として政府の政策形成に関与させていたのも自民党政権だ。
だからこそ、安価な労働力として移民政策を進めている。「雇うと高い日本人」を外国人に置き換えるため。無論、中国あるいは韓国北朝鮮の間接侵略の手助けも兼ねている。一石二鳥。
そんな自民党だからこそ。
今度大震災が起きても「日本人を減らして外国人に置き換えたほうが利益になる」と未必の故意、不作為によるジェノサイドが起こりうる。
現に、今、世界で拡大の勢いを見せている中国の新型肺炎(新型コロナウィルスによる武漢肺炎)について、このブログを書いている令和2年1月27日現在、中国人の入国禁止の措置をいまだとっていない。
台湾、北朝鮮、フィリピン等は中国人の入国禁止や送還の措置をとり、当の中国でさえ街の閉鎖、出国禁止の措置をとっているというのに。
無能なのならまだいい。
いや、良くはないが、まだ救いはある。能力を磨いて国民の安全を守れるようになれる可能性はある。
だが、当の中国を含めた世界各国が緊急措置をとっていることを日本政府が知らないなどと言うことは当然ない。
日本人に危険や犠牲が及ぶことは分かっていて、故意に不作為をやっている。
自民党の武井俊輔衆議院議員は、自己防衛のために中国人の入店を拒否した店舗をこう批判した。
党の観光立国調査会。新型肺炎への対処はもちろん重要ですが、このような不適切な対応は無用の混乱を招き極めて問題がある旨を申し入れ。観光庁も事実を確認しており、対応を進めると。風評被害にわが国も今なお苦悩しており、同様のことをしてはなりません。 https://t.co/cSrD3iQO2m
— 武井俊輔(自民党 宏池会) (@syunsuke_takei) January 22, 2020
昨日の「中国人お断り」の対応についてのツイートに多くの意見が。科学的根拠に基づかない不適切な対応=風評です。わが国も風評に苦しんでいます。自らに置き換えて考えなければ。国の対応が甘いとの理由を口実として過剰な対応を肯定するのは関東大震災で自警団が朝鮮人虐殺した論理と変わらない。
— 武井俊輔(自民党 宏池会) (@syunsuke_takei) January 22, 2020
橋本龍太郎元総理の御曹司、自民党の橋本岳衆議院議員は、入国を禁止するのは、日本に家族のいる外国人が悲しいので不可だそうだ。パンデミックのリスクに合った対策は、事態が落ち着くまでの入国禁止措置だと思うのだが、総理大臣の御曹司には及ぶべくもない凡人の浅知恵だろうか。
ある国からの渡航を禁止したらいいというのは、例えば仕事などでたまたまその国に親兄弟配偶者娘息子がいる人にとって、とても辛く悲しく場合によっては残酷な手段であることにも想いを致した方がよいのではないでしょうか。冷静に、リスクに見合った対策を常に考えていたいと思っています。
— はしもとがく(橋本岳) (@ga9_h) January 23, 2020
自民党の國場幸之助衆院議員。中国人の入国禁止措置をとるべきではないかという意見に対して。
世界があっての日本。自分さえ良ければ良いというのは、たんなる、わがままだと、思います。だから、日本ファーストは、違う気がします。 https://t.co/ma7IoD0de8
— 衆議院議員コクバ幸之助(沖縄1区) (@kokubkonosuke) January 25, 2020
そもそも、習近平主席の国賓待遇に関し、尖閣沖縄へ侵略の手を伸ばし、チベット、ウイグル、香港で弾圧、ジェノサイドを繰り広げている中国の所業について「瑣末なこと」と放言したのも自民党の二階俊博幹事長だ。
日本で新型肺炎が爆発的感染を起し、多数の日本人が死ぬことになっても、自民党にとっては「瑣末なこと」なのだろう。
それどころか、
「中国人が日本国内に金を落としてくれて(「日本国内」というだけで日本人に還元されるかは保証の限りではない)、日本人を減らして外国人との置き換えも捗って一石二鳥」
くらいに考えていてもおかしくない。
このパンデミックによって日本人の命が2000名失われたとして、政府、与党自民党や公明党の誰かしら責任をとると思うだろうか。
二階氏でも武井氏でも橋本氏でも國場氏でも、切腹の真似事でもするだろうか。
すると考える方はいないだろう。私もそう思う。
責任を取らなくてもいいのだから、何をするにも躊躇いを覚える必要はない。
-「責任を取らなくてもいい」は「責任を取らされない」とイコールではないのだが-
地震でもパンデミックでも、あの阪神淡路大震災の惨劇は再び、いや、更に三度、四度と繰り返されうる。
既成政党にとって、日本人の「利用価値」は当時より更に下っているのだから。