ネットニュースでは配信
1月4日に暇空茜氏(ツイッターアカウント名)が請求していたColaboに関する住民監査請求の監査結果(※)が発表された。
※正式名称 東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果
内容は東京都に対して一定の措置を講ずることを勧告するものだった(請求認容)。
私はどうしても会計の事はよく分からないのだが、暇空氏の会計に疑問があるという指摘に対して正面から答えず別の論点を持ち出して訴訟を提起し、氏の口を塞ごうとした行為1つからしても説明できない何かがあるのではないかと考えるのが素直であろうし、実際、監査請求は認容された。
ここでは監査結果そのものではなく、それに対するマスコミの報道について取り上げたい。
監査結果が出た後、マスコミが報道するかはちょっとした関心事だったろうが、報道しない自由の行使という期待(?)に反して、読売、産経のほか、朝日、毎日も各紙のネットニュースで配信した。
私も少々意外だったが、ともかく報道がされたのはよかったと思っていた。
紙面で取り上げたのは産経のみ
だが、少し気になって5日から7日までの3日間分の読売、朝日、毎日、産経、日経の5紙を紙面で読んでみた。近くで購入できなかった分は図書館で読んだ。
結果、5日の産経新聞が取り上げた以外は、いずれの新聞もこの問題を取り上げていなかった。複数回確認したが、もしも見落としがあったら訂正するので教えていただければ幸いだ。
監査請求が認容されること自体極めて珍しい。東京都では舛添知事の公用車使用事件以来6年ぶりのこと。大元の男女共同参画推進関係予算9兆円の是非にも関わってくる問題なのだから報道はされてしかるべきだろう。
「新聞紙は、もう15年でなくなるとも言われているのだし、その報道なんかもう気にしなくてもいいのではないか」という意見もあるかと思う。
だが、人数も多く、投票率も高い高齢者を中心に新聞やテレビから情報を得ている国民はまだまだ多いのが現実だ。
実際、高齢者や若い世代の人と税金や社会保障費の話をする機会があったのだが、この問題の事は全く知らなかった。
アリバイ報道の域を出ない
日本は民主政を採っている。
そして民主政の下では国民が政策判断をし、選挙における投票という形で政策を決定する仕組みとなっている(これに限界があるのは確かだが)。
とすれば、国民の判断材料をマスコミの報道を通じてコントロールすれば政策決定をコントロールすることができる。
今回の元となった委託事業制度、ひいてはこれによる利権分配を維持したいと考えるなら、この件に関する情報を遮断すればいい。都知事選でも都議選でも国政選挙でも少なくとも争点にし難くなる。コラボ?4団体?何それ?という有権者相手に限られた期間で1から、背景まで含めて説明しなければならない。
選挙で委託事業という問題のある政策を是正するという事は極めて困難となる。
先述したネットニュースの記事は少なくとも現時点では多くの国民の投票行動に影響は殆ど及ぼさない、アリバイ報道の範疇を出ないと言わざるを得ない。
コラボの件に限らず、様々な政治、社会的問題が国民に伝わっているかは、紙面の新聞が伝えているか、伝えているとしてどのような形で掲載しているかを確認する必要がある。
逆に言えばオールドメディアと批判される新聞やテレビも、その報道の仕方を見る事で、既存の各種政党や組織、団体等が何を欲し、何をしようとしている、何をしてほしくないかを映す鏡として利用する方法もあるかと思う。
関連記事