拉致被害者、横田めぐみさんの父親、横田滋さんが亡くなられた。

ご冥福をお祈りします。

お祈りします、が。何かやりきれない気持ちがあるのは私だけではないと思う。

 

このニュースを受けて、ご冥福をお祈りしますとか無念ですとか助け出せなくて申し訳ないといった政治家達のコメントが散見される。

その全てに対してではないが、よくもぬけぬけと、と思うところがあるのも、また、私だけではないと思う。

 

滋さんは、娘のめぐみさんに会いたいと40年以上駆けずり回って叶わず、とうとう亡くなられた。どんなにか無念だったろうか。

この40年間、政治家たちは拉致被害者救出のためにどれだけ本気で尽力したのか。

野党は論外。旧社会党、現在の立憲、国民、社民が片棒を担ぐようなことをしていたことは皆さんご存じのとおり。

 

では、国民の安全を預かるはずの与党、自民党はどうか。

確かに中には尽力して下さった政治家の方々はいる。安倍総理もその1人だと思う。

日朝会談の際、蓮池さんら5人の拉致被害者を連れ帰ってきてくれたことは、本当に感謝している。だが、逆に言えば、政府与党は拉致被害者を一時帰国でお茶を濁して、見殺しにしようとしたということだ。

 

私が探している新聞記事がある。2002年の日朝首脳会談よりも少し前くらいの朝日新聞記事だったと記憶している。

日朝関係に関する記事の中で、自民党幹部の「拉致問題はこの辺が落としどころ」という発言があった。

まだ、蓮池さんら5人の帰国すら実現していない時点だ。これのどこをどう見たら落としどころに見えるのか。

無論、捏造記事の可能性もある。だが、自民党から記事の取消しを求める声も聞かれないので、事実として扱わせて頂く。(ちなみに、この記事、図書館の縮刷版で探してみたのだが、なかなか見つからないでいる。私が見落としたのか、時期あるいは掲載紙が違うのか。ご存知の方がいらっしゃったら教えて頂ければ幸いです。)

繰り返すが蓮池さんら5人の帰国すら実現していない時点でのものだ。自民党は拉致被害者を見殺しにする気満々ではないか。

 

拉致当時よりはかなり後に連立で与党になったものではあるが、北朝鮮が拉致を認め日本国内が憤激していた時、連立与党の公明党の議員は、「日本も強制連行とかあったわけですし」と発言していた。

強制連行?従軍慰安婦か?

 

国民の安全を預かる政府与党がこれだ。拉致被害者が帰って来るわけがない。そもそも政府与党に助け出す意思がないのだから。

それとも、今回のニュースの、そのあまりの痛ましさに、さすがに心を入れ替えたか(期待はできないが)。

 

滋さんのご冥福をお祈りするのはいい。申し訳ないと詫びるのもいい。必ず助け出すと決意表明をするのもいい。ただ、政府与党の皆様には、もういい加減具体的な手段を聞かせて欲しい。

 

一言くらい言えないか。

 

「あくまで北朝鮮が拉致被害者を返さないなら、直接乗り込んで、戦ってでも助け出してくる」と。

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