自民党から議員を目指さない理由
本記事のタイトルを見て、ちょっと待て、お前は識者や評論家ではなく議員を目指すのだろうというツッコミがあろうかと思う。
議員を目指すというのはその通りだ。そして実際に議員になれば他の政党の議員とも協力し合わなければならない場面は出てくる。当然自民党も含めて。無暗に対立したり交流を拒否したりするつもりはない。
だが、議員になることはそれ自体が目的ではない。議員同士の慰安旅行に行きたくて議員を目指すのではない。
ちょうどこの記事のアップロードの準備をしている際に、自民党から議員を目指してほしいというメールをいただいた。
自民党内に保守系の議員を増やすことで日本を護ってほしいという趣旨のご要望だった。
せっかくのご意見だが、そのご要望にはお応えできない旨、お詫び申し上げたい。
議員になるには近道となる、自民党からの議員を目指さない、議員になるには遠回りになる、自身で政治団体を作って議員になることを目指すのは理由があってのこと。
それは自民党から議員になれば国を売る片棒を担ぐ結果となる危険が高いと考えるからだ。
その説明も兼ねて、私の自民党という政党に対する見方をお話ししたい。
中には真っ当な政治家はいる
自民党とて中には愛国心のある真っ当な政治家はいる。よく言われる意見だ。確かにそれはその通りだろう。
だが、そもそもだ。
「中にはいる」では駄目なのではないか。
真っ当な政治家として、拉致被害者を連れ帰って来てくれた安倍総理や、尖閣問題に積極的に取り組んでいる新藤義孝議員や外国人土地取得問題に取り組んでいる長尾敬議員、外国人優遇政策を取り上げた小野田紀美議員といった議員が挙げられるかもしれない。
「こういう人がいるなら」と選挙で自民党に投票した人も少なからずいると思う。そしてそのような投票行動を否定するつもりはない。私もそのような投票をしたことがある。野党が論外すぎて選択肢がないというのも現実にはある。
では、「中にはいる」からと投票して自民党に議席を与えた結果、自民党は政党としてどのような事をしたか。してきたか。
阪神淡路大震災
自衛隊を出し渋って助かったはずの2000人とも言われる人々を死へ追いやった村山富市元総理が批判の対象になっているが、そもそも与党に返り咲くために社会党と連立し、村山総理を誕生させたのは自民党だ。
参考
拉致問題
横田めぐみさんの拉致事件について、昭和52年の事件発生後かなり早い段階で北朝鮮による拉致と断定されていたが、政府(当然政府を構成するのは自民党)がこれを認めたのは平成9年に入ってから。
安倍総理のように個人単位では救出のために尽力してくれた方もいるが、自民党は救出するどころかコメ支援などの支援を繰り返した。
支援→北朝鮮による「不明者調査」→見つかりませんでした→支援→「不明者調査」→見つかりませんでした→支援→「不明者調査」→見つかりませんでした
これを見て、自民党が本気で拉致被害者を救出しようとしていたと思う方はまずいないだろう。当然私も、むしろ対北朝鮮支援のために拉致被害者をダシに使ったと思っている。
実際、平成14年(2002年)の日朝首脳会談の少し前、自民党幹部が新聞上で「拉致問題はこの辺が落としどころ」と宣っていた。蓮池さんら5名の帰国さえ実現していない段階だ。要は拉致被害者を助けるつもりはない、見殺しにするということだ。
参考
対北支援をして自民党に何かメリットがあるのかと思う方もいるかもしれないが、支援利権というものがある。
コメ支援だったらコメ支援で、それを調達し送る過程で利益を得る企業、団体がある。そこからの金なり票なりの見返りが期待できる。
票については、支援の受益企業の社員のほか、帰化系日本人の票も期待できる(私含め一陽会が参政権に国籍制限導入を目指す所以でもある)。
そもそもこの拉致問題、誰が攫ったかもどこに捕らわれているかも分かっている。それであくまで相手が返さないのであれば、後は直接乗り込んで行って助けて来るだけだ。
あなたの家族が誘拐され、誘拐犯の家に捕まっていることが分かれば、まずは警察が解放するよう説得し、それでも解放しなければ警官隊が突入して被害者を救出する。それと同じだ。
もっとも、そこで出てくるのが「憲法上の制約」だ。
憲法
拉致被害者の救出でも、尖閣防衛でも、竹島、北方四島、千島樺太奪還でも、自民党の政治家はよく憲法上の制約を持ち出す。阪神淡路大震災でも同様だった。
だったら、さっさと改正すればいいだろう。
だが実際は、改憲の「か」の字、有事の「ゆ」の字でも口にすれば野党と一緒になって自党の政治家を更迭していた。
そもそも自主憲法制定が党是だった自民党が改憲発言を理由に更迭とは、自分たちの言動の矛盾に気が付かないのか。
そんなことはないだろう。自民党にとって政策は保守層を釣るための疑似餌程度だということだ。
拉致でも防衛でも危機管理でも、憲法上の制約などというものはない。
「呼び方が違うから自衛隊は軍隊ではない」という「解釈」が通るなら何でもありだ。適当な「解釈」で救出、防衛を行えば済むことだ(そもそも憲法の有効性には疑義があるが、ここではとりあえず措いておく)。
参考
拉致被害者の救出にせよ領土防衛・奪還にせよ、憲法は自民党がやりたいことをできない制約ではなく、自民党がやりたくないことをやらないための口実に過ぎない。
横田滋さんは娘のめぐみさんに再会できないまま亡くなられ、尖閣や竹島では日本人が漁ができず、北方四島、千島樺太は故郷に帰れないまま多くの日本人が亡くなっていった。
対外支援
中国や韓国、ロシアへの支援も北朝鮮への支援と構造は同様だ。
対韓国支援
よく韓国が歴史問題を蒸し返さないと約束しながら反故にすることを繰り返してきたという批判を耳にする。
そして、日本政府はどうしてこう何度も騙されて韓国支援をするのかという批判も耳にする。
だが、「騙されていた」のか。
「今後は歴史問題を蒸し返さない」→支援→「日帝支配が」→「今後は歴史問題を蒸し返さない」→支援→「慰安婦強制連行が」→「今後は歴史問題を蒸し返さない」→支援→「徴用工が」
小学生でもこのように全く同じ手で何度も騙されたりはしないだろう。ましてや自民党議員は東大出がゴロゴロいるのだ。少なくとも小学生以下の知能しかないなどということはないはずだ。
で、あれば。
分かっていて支援を繰り返してきたのだ。
騙されていたのではなく、騙していたのだ。韓国とつるんで日本人を騙し、日本人を貶め金を巻き上げてきた。
支援の過程で携わる企業に利益になるし、そこから金なり票なりを期待できる。
対中国支援
日本政府が中国に対して多額の支援を行ってきたことは多くの方がご存じだと思う。そして中国の軍拡に大いに寄与し、尖閣はじめ日本への侵略を誘致した。
何でそんな事をと多くの日本人が思うだろうが、対中国でも支援が利益になりうる。
遺棄化学兵器処理事業が分かりやすい例だと思う。
終戦時日本軍が保有していた化学兵器は中国に引き渡され、後は中国が処理することになっていた。日本が金を出す必要はなかった。
だが、人道がどうたらと適当な理由をつけて処理事業に日本政府が金を出した。無論国民の税金だ。
そしてその事業の過程でゼネコンのフジタ社員が拘束されるという事件が起きた。
このことは裏を返せば処理事業からフジタが利益を得ていたということであり、それは自民党にとっての利益でもある。自民党の大きな票田の1つが建設業界だ。
念のため、今時公共事業叩き、建設業界叩きをやろうというのではない。ただ、売国政策の分け前に与るような事をし、建設業界批判に一定の理を与える結果にはなった。
対ロシア支援
ロシアに対しても、四島返還のための経済協力と称して日本人の血税を垂れ流した。それで四島や千島樺太は1ミリでも日本に近づいたか。
拉致被害者でも領土でも、敵国に押さえさせておいた方が支援のネタになる。
拉致被害者を、領土を返してもらうためと言えば支援に対し日本国民も反対しづらい。
だからこそ、真に領土問題を解決する方法を指摘しただけの政治家でも叩き潰す。
丸山穂高議員糾弾決議
令和元年度の北方四島交流訪問事業に参加した丸山穂高議員は、元島民でもある他の参加者に戦わなければ取り返せないのではないかと発言。これに対して令和1年6月6日、自民党も含めた全政党により糾弾決議がなされた。
あなたの家に強盗団が乱入して居座ったらどうか。先の誘拐同様、最終的には警官隊が突入して実力で排除し取り返すことになるだろう。
領土も同様だ。相手があくまで返さないのであれば、最終的には戦って取り返すほかない。
ただ、それだけのことだ。
本当に領土を奪還するなら選択肢から外せない方法を指摘したら糾弾(という名のリンチ)。
何のことはない、改憲の「か」の字、有事の「ゆ」の字でも口にした政治家を叩き潰していた時代と根本的なところは何も変わっていない。
これは昭和の時代の話ではない。令和の話だ。
靖国参拝問題
これも問題でもないものを勝手に問題化しているだけ。
靖国へ参拝しないというのは、民間なら出張先で事故あるいは急病で亡くなった社員の葬儀に会社の人間が誰も来ないようなもの。
このような仕打ちを平気でできるのが自民党だ。
参考
慰安婦問題
これについては詳細は不要だろう。
自民党の河野洋平官房長官は、事前の調査の結果強制連行の裏付けなど何もないことが分かっていたにも関わらず、強制連行を認めた。
朝日や韓国に騙されたのではない。
この件は朝日新聞の植村記者が大きく取り上げられがちだが、官房長官が強制連行が虚偽であることを知りながら、朝日新聞、韓国とつるんで確信犯的に日本人を貶めたのだ。
いわば自民党、朝日新聞、韓国の愛の共同作業。
ちなみに政府は強制連行を認めていないという擁護の意見が散見される。
これは擁護になるのか?
政府は強制連行はなかったという立場なら、なぜすぐに河野氏の発言を否定、更迭し責任を追及するなりしなかったのか。
強制連行を認めたのは政府の要職、調整役にして報道官の河野官房長官で自分たち政府には責任はないとでも言いたいのか。
移民政策
極めつけはやはりこれだろう。
移民推進による多文化共生化の行く末の日本人の境遇は、チベットやウイグル、移民政策の「先輩」ヨーロッパの惨状を見れば分かる。
中国人(漢人)に暴行を受けるウイグル人の少年
ドイツ・ケルンで2015年大晦日に起きた移民(難民と称されることもある)による女性への集団性的暴行事件
要するに亡国政策、「日本死ね」ということだ。
結局のところは左翼・リベラルと変わらない。だから立憲・国民・社民の前身、社会党との連立も可能だった。
茂木外相のブログと擁護になっていない擁護
先頃、茂木敏充外相が自身のブログに日本を多民族社会にして外国人参政権を認めると記載していたことが批判の的となった。
これに対する擁護(?)が「その後の自民党の政策で外国人参政権を認めないと明記された」というものだった。ちなみにこの政策というのは自民党が野党時代の公約のことだ。
これは党の政策として外国人参政権否定が明記されたから、茂木氏がその持論を持ち出すことはないはずという趣旨のようだが、逆ではないのか。
そもそも「保守政党」を自称する政党にどうして多民族国家化、外国人参政権推進の議員がいるのか。
100歩譲って、とにかく数を揃えるため議員にするとしても、そのような党是・公約と真正面から抵触する人物を大臣、それも日本の国益を担う外務大臣にしてはならないはず。
自民党の外国人参政権反対の公約は、保守層の支持を得て野党から与党に返り咲くために持ち出した疑似餌であり、そもそも守るつもりがなかったということではないか。
「晴れて政権にも復帰できたし、野党はアレで選択肢になりえないから再び自民が野党に転落する危険はない。んじゃ、予定通り移民推進して、ゆくゆくは外国人参政権も導入していくか」
政権に帰り咲くために社会党と連立し、何の責任も取らず何の総括もしていない自民党らしいやり方だ。
以上、それぞれは簡単な説明になったが自民党の実際の行動をいくつか挙げて来た。ほかにもコロナ下の外国人入国など挙げられるものが幾つでもあるが文量の関係で一旦ここまでとしたい。
売国政党 自民党
これらを見て自民党に売国政党、売国奴という感想を抱くのは私だけなのだろうか。
確かに個人単位では真っ当な政治家がいることは否定しない。
先頃、長尾敬議員が尖閣諸島海域への出漁を計画しているというニュースが伝えられた。本人は真に日本を憂いての行動かもしれない。
こういう人がいるのならと自民党に投票しようという方もいると思う。故にある意味、長尾議員は自民党から労いの言葉を贈られるかもしれない。
「いやー長尾君、よく頑張ってくれたね。おかげで保守層が釣れた釣れた。あ、もう帰って〇〇して寝ていいぞ。習近平国家主席の国賓来日の地ならしで忙しいんでね」
本人が真剣であるが故に利用され、結果売国行為の片棒を担ぐことにならないか。
習主席の国賓来日の話はとりあえずは遠のいたようでホッとしているが、完全に消えたわけではないようだ。
「それは二階幹事長はじめ親中派が」「党内力学の関係で」という擁護が来るかもしれないが、そのような人物や派閥が幅を利かせる、そのような党内力学が存在する政党を売国政党というのだ。
移民政策は安倍政権下で加速したが、安倍総理個人が日本死ねと嬉々としてやっていたとは思っていない。
昔、安倍総理がテレビに出て多文化共生に反対するという発言をしていた画像がネットで批判されていた。結果的に嘘になったのだから批判は甘受していただくしかない。
だが、内閣総理大臣個人は望まない政策が推進されるのは、その母体である自民党が推進しているからだ。
現在の菅総理の考えは正直よく分からないが、どれほど真っ当な愛国心のある政治家が総理大臣になっても、自民党を母体とする限り限界がある。誰がなっても同じ結果になる。売国政策は推進される。
無論、この先自民党が自身の半身を削ぎ落すくらいの、解党的出直しをして変わる可能性も否定はできない。
その上で日本を護ってくれるなら万々歳だ。ヒーコラ言いながら政治団体を作る必要もなくなる。
だが、上記のような行動の数々に何の責任も取らず、総括もしない。
現時点でも尖閣に侵入した中国船1隻も叩き出すなり撃沈するなりできない自民党にそのような変化を期待できるとは、少なくとも私には思えない。
特に中国に関して言えば、尖閣での不作為で直接侵略の、移民政策で間接侵略の手引きを現在進行形でしているようなものだ。
ならば、自民党が変わるのを待つ時間、自民党を変えるために割く時間と労力があるなら、自民党に代わる選択肢を1から作るための作業に充てた方がいい。
結果、自民党が自ら変わって日本が護られ、その作業が徒労に終わったのなら、それが何よりだ。