弁論終結

10月23日、茨城県の任期付き職員への外国人採用についての住民訴訟、第3回口頭弁論期日が行われました。

前回お話した請求の特定は何とかクリアできました。

⇒参考:茨城県の外国人職員採用採用に対する住民訴訟 ①

今回の訴訟は事実関係には争いがありません。訴訟要件をクリアし、双方の法律上の主張が出揃いましたので、弁論はこれで終結となりました。

後は裁判所の判決を待つだけとなります。

 

裁判の中では、外国人-中国人と韓国人-が採用された職種の内容・権限を挙げて採用の違法性を主張しました。

判例上、外国人の地方公務員への就任権については「政策形成に関わるもの」「住民の権利義務、生活に大きな影響を及ぼすもの」は認めらないとされています。

県側としては、あくまで補助的な業務を行うだけの任期付き職員。業務も国際観光、茨城空港の就航対策であり、政策形成に関わるとか住民に大きな影響を及ぼすとか大げさな話ではない、という立場です。

 

実質正職員?

まず、任期付き職員という点についてです。

確かに、任期は2年間です。

ですが、実際の待遇を見ると、実質正職員ではないかと思えてきます。以下、実際の待遇です。

 

採用された中国人、韓国人職員の待遇

1.給与
その有する職能、経験を考慮して正職員と同様の基準で決定する。

今回の職員は主任採用なので、月額279,840円を下回らない額を支給する。

勤務実績により昇給制度が適用される。

扶養手当、住居手当、通勤手当、時間外勤務手当、賞与(年間4.45月分)、退職手当などが支給。

2.休暇
年次休暇は,1年につき20日間(採用時期に応じ最大年間20日)で、年休の未使用日数は20日を限度に翌年に繰り越すことができる(年間最大40日)。

特別休暇(夏季、結婚、忌引等)等あり。

3.年金・健康保険
地方公務員として地方職員共済組合に加入。

 

訴訟においては請求を特定する必要があるので、給与額について県へ問い合わせました。

茨城県には任期付き職員の給与について定めた条例があるので、これに規定されているいずれの額になるのか尋ねました。

これに対する回答は上記のとおり任期付き職員給与表に基づくのではなく、「職能、経験を考慮して正職員と同様の基準で決定する」というものでした。

それなら実質正職員じゃないかとこの時点で思いました。

 

また、「月額279,840円を下回らない」とあるように、この額が最低ラインで、実際はそれ以上に支払われている可能性もあります。

賞与、ボーナスも4.45か月分が支払われます。

休暇、社保もしっかりしている。

そして主任待遇。

 

2年の任期がありますが再任用も可能です。

更に、茨城県庁には社会人経験者の正職員登用の制度もあり、任期付き職員も対象となります。

「県の国際業務に従事した経験を考慮」して正職員採用という流れも当然ありえます(私はそうなるだろうと予測しています)。

これは実質正職員と言っていいのではないでしょうか。

 

確かに訴訟の論点はあくまで権限です。

そして、待遇=権限では必ずしもないこともまた確かです。

ですが、待遇は責任に応じて定められる、責任はそれを果たすための権限とコインの裏表という面もあります。

県側の言うような、期限を区切った、補助的な業務に過ぎないという説明にはしっくりこないものがあります。

 

県・県民への実際上の影響

また、私が気になっている点として、茨城空港の就航対策業務に携っていることがあります。

空港はテロや軍事攻撃などの対象になりやすい。そして実際にテロや攻撃があった時に、まず犠牲になるのは茨城県民です。

その空港に関する業務に-はっきり言います-敵性国家である中国、韓国の人間を携わらせるのは、茨城県民の生存、安全、利益といった、「住民の権利義務、生活に重大な影響を及ぼす」ものといえるのではないでしょうか。

 

以上、今回の中国人、韓国人の県職員採用についての私の意見です。

この点いかに判断するかは裁判官次第です。

 

判決期日と皆様にお願いしたい事

判決期日はツイッターでもお伝えしましたように、12月25日の午後1時10分です。

関心をお持ちの県民の皆さん、特に、ご自身やご家族が県職員を目指す方、傍聴に行ってみてはいかがでしょうか。それで判決自体が代わるものではありませんが、県民の関心が高いとなれば知事も来年の採用を考えるかもしれません。

 

それと、今回の件で、このブログをお読み頂いている茨城県民の皆さんに私から1つお願いがあります。

何か話の折にでも今回の件について、ご家族ご友人、お知り合いにといった方々にお話していただけないでしょうか。

先日の期日に傍聴に来てくださった方が、「自分の周りでは殆どこの件を知らなかった。今回の中国人、韓国人の採用の話をしたら皆びっくりしていた」とお話されていました。

この採用は茨城新聞でも取り上げられていましたが、どうも、知らない方が少なくないようです。

それで、「そんなのおかしいだろう」という声が県民の間に上がれば、尚のこと知事も考え直さざるを得なくなり、外国人が採用されたために県職員を志望される方が割を食うという事態を避けられる可能性も出てきます。

よろしくお願いいたします。

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