有力候補 河野太郎氏

自民党総裁選も終盤となった。

今のところ有力候補は、岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏のようだ。

私は自民党員ではないので当然総裁選の渦中にいるわけではなくネット上から見ているにとどまるが、やはりというか、ネット上では河野氏について批判的意見が多い。

私も河野氏が内閣総理大臣になる事には不安と危惧を覚えている。

 

河野太郎氏の政策、主張

いわゆる女系天皇

河野氏はいわゆる女系天皇を容認する立場だ。「いわゆる」をつけたように天皇とは父親を辿っていくと初代神武天皇に行き着く、男系天皇(これも便宜的な言い方だが)をいう。そもそも女系天皇は天皇ではないのだが、便宜、本記事では女系天皇という表記を用いる。

河野氏は自身のブログでもこの皇統の問題について触れて、「男系を維持できるものならば、それに越したことはありません」と述べている。

これは、いわゆる女系天皇を選択肢とするという趣旨だと考えるのが自然だろう。

皇統の議論

 

また、自身のyoutube動画では以下の様に述べている。

皇統に関する話は44:25~50:00

50:20~ 旧宮家の皇籍復帰を否定し、国民に支持されている内親王のお子さんが天皇になる方が良いと述べている。

また、50:40~の部分で女系天皇に反対する人たちを批判している。

 

近時の報道機関の取材に対しても、「男系で続いてきているというのが、日本の天皇の一つのあり方なんだと思う」と答えている。

男系は1つの在り方にすぎないとのことだ。

 

上記、ブログにせよ動画にせよ取材への回答にせよ、若干含みを持たせた言い方にはなっているが、河野氏はいわゆる女系天皇を認める立場だと見るのが自然だろう。

 

対中スタンス

河野氏の対中スタンスに関して、敵地攻撃能力の否定や日本端子の問題が指摘されている。

日本端子の問題について利権になるかどうかという議論もなされているが、そもそも国政の最高責任者となる政治家が中国の影響を受ける危険のある立場にあること自体が問題だと考える。

 

外国人秘書

排外主義者

河野氏は自身の国会議員秘書が韓国人であることを問題ないと主張するが、国政を担う国会議員、それも総理になろうという国会議員の秘書に外国人、しかも敵性国家である韓国人を据えるのは極めて問題なのではないか。

 

移民政策

50年後に1億人

移民政策は今更説明するまでもなく亡国の政策だ。

 

靖国神社参拝問題

2004年11月29日号-2

これも祖国のために戦って命を落とした人々への慰霊追悼という当たり前の話で問題になるような筋合いのものではない。

だが、河野氏は靖国神社参拝に反対だ。対中関係を理由に挙げていることも、前述の対中スタンスが中国寄りと考える理由でもある。

 

以上取り上げたものは、それぞれが重要なテーマなので、それぞれを記事にしたいところなのだが、残念ながら今は難しいので簡単な指摘に止める。

 

上記、私が、河野氏が内閣総理大臣になっても真に日本のために働いてくれるのか極めて疑問であること、総理になることに不安と危惧を覚える理由だ。

 

反論

無論、河野氏を支持する方々は反論があるだろう。

だが、実際の反論を見ていると小首を傾げたくなるものが散見される。

 

いわゆる女系天皇

まず、いわゆる女系天皇について、河野氏は女系を容認していないという反論があるが、上記のブログ、動画、取材に対する回答をどう考えるのか。

「女系天皇を容認する」というストレートな表現をしていないだけで、河野氏はいわゆる女系天皇容認と見るのが素直ではないのか。それとも、ストレートには言っていないのだから女系容認ではないのだということか。

 

対中スタンス

対中スタンスについても同様だ。

まず、安倍総理も対中関係の改善を図っていたという反論がある。

何の話か。

河野氏が中国寄りのスタンスであること、外国、殊に中国の影響を受ける危険のある人物が内閣総理大臣になろうとしていることが批判の対象となっている。安倍総理の対中関係云々と何の関係があるのか。

対中関係の改善というのは、日本の政治が中国の影響を受ける、中国の意思が入り込む危険を容認することまで含むのか。

まあ、確かに従来の「日中友好」はそんなものだったが。

 

また、河野氏を安倍総理が大臣にしていたという反論もある。

これも、何の話か。

中国寄りの河野氏だが、安倍総理が大臣にしたのだから無問題ということだろうか。あるいは河野氏を批判するなら安倍総理も批判しなければおかしいという趣旨だろうか。

仮に安倍総理が河野氏を通じて中国の侵略の手引きをしてやれと河野氏を大臣にしたのであれば、当然安倍総理も批判する。

だが、私は安倍総理個人が利敵の意図で河野氏を大臣にしたとは思っていない。いわゆる自民党の党内力学によるものだろう。

故に、そのような党内力学が存在する自民党という政党は批判している。

売国政党 自民党

 

ウイグルに関する対中非難決議でも同様の反論は見られた。

河野氏が当初無回答としたことについては、現役の大臣だからではないかという意見があった。

考えた上で、「うーん、現役の大臣だから、回答できないんじゃないかなあ」と意見していた方はいた。他方で、「現役の大臣だからだろ、これだから限界保守はw」と嘲笑していた者もいた。

「w」とか使うのかと苦笑されるかもしれない。

だが、批判に対する反論の仕方が、「そんなことも分からないのか、バカじゃないのか。これだから限界保守はw」という、冷笑系?嘲笑系?ともかく嘲り、せせら笑うものであったというニュアンスを伝えるために使用させていただいた。

今回の総裁選に限らず、こういった風潮は近時見受けられるようになっている。この点は改めて記事にしたい。

本記事で取り上げた反論も「「限界保守」の限界言論を批判しただけで河野氏の当選や高市氏の落選に繋げる意図はない」というのであれば(その意図と考えるのが自然だが)、後日の記事へ移動する。

 

靖国神社参拝

河野氏は韓国のソウル国立顕忠院には参拝する一方で日本の靖国神社には参拝しないという批判に対する反論もこのようなものだった。

「政治家が外国へ行った際の慰霊追悼施設訪問は外交儀礼上不可欠なんだよ、これだから限界保守はw」

ちなみに反論の中には、安倍総理が顕忠院に参拝している写真を出して「慰霊追悼施設への参拝は外交儀礼上不可欠なんだよ。この政治家知ってる?安倍総理っていうんだけどね」というものがあった。

 

だから、本当に、一体何の話をしているのか。

 

祖国のために戦って命を落とした人への慰霊追悼は怠ってはならない国家の義務。だから外交儀礼上も不可欠とされているのではないか。

韓国へ行けば顕忠院に参拝し、アメリカへ行けばアーリントン墓地へ献花する。

河野氏が韓国で顕忠院に参拝したのも、その重要不可欠性を認識しているからだろう。

それでいて、その慰霊追悼の重要性、不可欠性を認識しながら、日本の戦没者の慰霊追悼をしないことが批判されているのだ。

誰が韓国の顕忠院に参拝したのが気に食わないなどとチンケなことを言ったのか。私が見た限りではそんな者はいなかった。

ここまで書いてきて思ったのだが、河野氏支持者は安倍総理を免罪符か何かだと思っているのだろうか。

 

河野談話については談話を出したのは一応別人格である父親の河野洋平であるし、承継については上記の嘲笑云々の記事の方が適切と思うので、そちらで取り上げることにしたい。

 

支持する理由は

しかし、悲しいことに私の元に、高市支持者が他候補への政策批判を超えた罵詈雑言を発する行動があると多数報告を受けております。
総裁選は議論していく場でもあり、例え正反対の意見であっても尊重しあう場です。各候補者も、その支援者も決して敵ではありません。
他候補への誹謗中傷や恫喝や脅迫によって確保される高市支持など私は要りません。他候補への誹謗中傷や恫喝や脅迫によって確保される高市支持など私は要りません。

高市氏の支持者の中に他の候補者に対して政策批判を超えた誹謗中傷する者がいることについての高市氏の発言だ。

正論だ。政策批判を超えた誹謗中傷をした者は批判されて当然だ。

だが、上述のとおり、河野氏支持者も批判に対してピントのずれた、論点すり替えと言われても仕方のない反論を返し相手を嘲笑する。

そして、見えないのは河野氏を支持する理由だ。

 

岸田氏の支持者は氏が新自由主義に批判的だから支持するとか、高市氏の支持者は氏の国家観や安全保障政策を支持するといった理由を挙げて支持を表しているが、河野氏に関してはなかなかそれが見えない。

河野氏を推すなら「確かに河野氏には〇〇という問題があるが、他方で△△という政策がある。だから支持するのだ」と言う方がいいのではないか。それこそ「星に手を、がロマンがあるから」だっていい。

あるいは「岸田氏には、高市氏には□□という問題点がある。だから消去法になるが河野氏なんだ」というのもありだろう。

 

自らの支持理由を示さずに、根拠ある批判に対して揶揄嘲笑で返すのでは「河野氏の問題点が致命的すぎて支持する理由を示せない、他方で高市氏の政策は自民党の表向きの政策に最も近いので本人への直接の批判は難しい。なので高市氏の支持者を揶揄嘲笑することで河野氏の勝利に誘導したい」のだと邪推されてもやむを得まい。

これは高市氏の言う、「他候補への誹謗中傷や恫喝や脅迫によって確保される支持」に他ならないのではないか。

無論、私が見れるのはネット上の意見が大半となるので、リアルではまた違った意見があるのかもしれない。

 

念のため、私は河野氏が総理大臣となることに不安と危惧は抱いているが河野氏アンチなわけではない。高市氏の支持者でもない。

ただ、河野氏は党員票の相当部分を確保したとされている。

そうであるならば、河野氏支持者が自民党の中心的な支持層であるならば、彼らが河野氏の上述の問題点をどのように考えているのかは知りたい。

問題点はあるが別の政策部分を見込んでいるのか。

あるいはその問題点をむしろ評価しているのか。

自民党が党員に何を支持されて成り立っているのか。自らの半身を削ぎ落して変われる可能性を持っているのか。

それを考える重要な手掛かりになる。